2022年01月13日

胸部X線読影道場ふたたび646

本症例ではこの2か月間、ドレナージや脱気をされず経過観察のみでした。

左の肺野ではその前に見られていた、左上中肺野の気胸腔や癒着による線、下行大動脈の明瞭さ(近傍の空気の存在)はあまり変化ありませんが、下肺野、というか心陰影がずいぶん動いているかと思います。同時に気管の右への偏位、左横隔膜の低下もあり、おそらく緊張性気胸になってきているのかなと考えます。

実際この時は呼吸状態(循環状態も?)悪化での入院となっております。

スライド504.JPG

CTで見ても、右(嚢胞)と左(嚢胞+気胸+癒着)の違いは判然としませんね……。気管(縦隔)が偏位していることはわかります。

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posted by 長尾大志 at 13:18 | 胸部X線道場