2022年01月31日

胸部X線読影道場ふたたび656

胸部CTでは、非常に細かな、粟粒大といってもよいような粒状影が、両側びまん性に広がっています。それではこれは粟粒結核といってよいのか……?

よくよくCTをご覧いただくと、粒状影だけではなく、広義間質肥厚像が目立つことにかづかれるでしょうか。特に葉間胸膜・周辺あたりとか。そちらの所見を強く取るとリンパ路系の異常を鑑別の上位に挙げたくなります。

血行性の分布を取る転移性肺腫瘍でも、リンパ管症が合併すればこんな感じになってもよいですし、粟粒結核もこういう所見になってよいので、鑑別診断はそれらも含めて、リンパ増殖性疾患、サルコイドーシスなどなど、という感じでしょうか。

ちなみに本症例ではGaシンチを撮影されています。

スライド517.JPG

これだけの所見があっても無症状であり、サルコイドーシスと診断されました。

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posted by 長尾大志 at 12:53 | Comment(2) | 胸部X線道場
この記事へのコメント
 胸部CT道場を2周くらい読み直して復習してなんとか当てれました。広義間質に病変が有る事は分かりましたので、癌性リンパ管症であったらもっと線状なのかなと考えて、粒状なサルコイドーシスを残せました。
 あと今日たまたまサルコイドーシスの胸部X線写真読影しました。それもBHLは無かったのですが、この問題のとも違ってボツボツした肺紋理が見えました。この度も貴重な症例をありがとうございました。
Posted by シロクマ at 2022年01月31日 19:40
サルコイドーシスの肺野陰影は結核と並んで「多彩」ですから、いろいろご覧になるといいと思います!
Posted by 長尾大志 at 2022年02月01日 07:40
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