慶応大学の南宮湖先生のお話は「ものすごく賢い先生の話はめっちゃ面白い」という原則通り、大変興味深く面白かったです。内容をかいつまんで備忘録として残しておきたいと思います。
遺伝子解析が近年ものすごく進歩してきていることによって、細菌の世界の解析も進歩している、というお話でした。例えばMAC(Mycobacterium avium complex)症ですが、M.intracellulareとM.avium以外にも種がたくさん含まれていて、特にM.chimaera(キマイラ)が最近臨床的に問題となっています。
これまでM.intracellulareとM.aviumは、昔ながらの分類法では近縁種と言われていましたが、遺伝子配列としてはかなり異なっていることもはっきりしてきました。M.intracellulareの方が臨床的に予後が悪いようです。また、播種性MACと肺MAC症は臨床像が異なり、この臨床像の違いは各々の原因菌のゲノムの違いにも由来しますし、宿主の遺伝的な要素によっても違うようです。
M.aviumの中にもたくさんの株?が含まれているわけですが、人に病原性を発揮するものはそのうちの一部です。M.aviumの遺伝子配列を細かく見ていくと、他の菌(結核菌やM.intracellulareなど)由来の外来DNA、機能遺伝子やプラスミドを取り込んでいることが判明してきました。またファージの痕跡もありますし、トランスポゾンも見られるということで、その地域内に存在する菌たちのアレルや遺伝子が移動し取り込まれていると考えられます。これは菌の挙動、性質を考えるうえで大変興味深い知見です。取り急いでここまでざっとまとめておきます。雑なまとめでスミマセン。