2022年08月23日

肺非結核性抗酸菌症・肺MAC症のお勉強3

ちなみにATSのガイドラインでは、EBを隔日/週3回投与する場合、25mg/kg/日となっています。この量だと成人ではほぼほぼ1,000mg/日を超えてしまい、現実的に本邦では適用が難しいところで、1,000mg/日とせざるを得ません。また、マクロライドは隔日/週3回投与する場合AZMが適している(CAMと比較しヒトにおいて半減期が長く、長時間体内に留まる特徴がある云々)ということで、500mg/回の投与とされています。

RFPは相互作用や副作用が多く、菌量が少なければRFPを抜いた2剤でも良いのではないかという考えがあり、RFP+EB+CAMの3剤とEB+CAMまたはAZMの2剤を比較した試験が現在進められています。同様に、連日投与と間欠投与の比較や、CAMとAZMの比較試験も現在進行しています。

EBを止めるとマクロライド耐性を誘導する可能性が指摘されており、(=EB継続すれば菌陰性化とマクロライド耐性菌の発生を減らす)なるべくしっかり使いたいところですが、やはり気になるのが視神経障害です。EBの視神経障害は総投与量が多いほど起こりやすく、間欠投与だと明らかに少ないとされます。例えば肺結核の標準治療ではEB投与期間は2か月ですから、まあ滅多に起こるものではありません。しかしMAC症の治療となると1年以上に及ぶわけですから、やはり増えてくると。視神経障害を出来るだけ少なく、かつ効果を最大にする投与法の確立が待たれますが、現時点ではまだデータが不十分です。

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posted by 長尾大志 at 11:28 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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