このたび、とある学会の教育講演的なところでお話をさせていただくことになりました。お題は最近診療報酬収載となった「在宅での高流量鼻カニュラ」についてです。
実は個人的に、最近あまり今回の対象となるような、CO2貯留を伴うCOPD症例を担当していなかったため、最初に「在宅での高流量鼻カニュラが保険適用」の話を聞いた時には頭の中に??がたくさん飛び交っていました。というのも、そもそも病棟で見ている高流量鼻カニュラは、昨今のコロナ症例ですっかり有名になったように、「低酸素血症の症例に大量の酸素を投与する目的」で使われることがほとんどであるからです。
家にこのシステムを持って帰って、酸素は一体どこから毎分60リットルも流すことができるんだろうか??と思ったわけです。ところがよくよくお話を聞いてみると、対象は上記のごとく「CO2貯留を伴うCOPD症例」であるとのこと。そのような症例において必要なことは、どちらかというと酸素の流量よりも換気、特に高流量鼻カニュラが得意とする死腔の洗い出し(Washout)効果や呼吸仕事量の軽減といったところになるわけですね。
2022年08月29日
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