COPDの原因は主にタバコの煙ですから、現在日本においてはCOPDを疑う病歴として、喫煙歴が極めて重要です。
高齢の喫煙者のうち約50%、特に60pack-years(喫煙指数で1200)以上の喫煙者で、約70%にCOPDが認められることがわかっています。逆に喫煙者のうちCOPDの発症率は15〜20%程度とされています。
そういうわけで、臨床現場ではひとまず
「喫煙歴があればCOPDの可能性を考慮する」
「喫煙歴のある40歳以上の成人で、労作時の呼吸困難・息切れや慢性の咳痰がある場合にはCOPDを積極的に疑うべきである」
という態度で間違いありません。
2022年時点で、COPDの病態そのものに対しては決定的な治療薬は存在せず、肺病変の進行を遅らせる唯一の手立てが禁煙です。またCOPDは高齢者に多く、併存疾患が複数存在することも多いものです。そのため出来る限り早期にCOPDを発見し、何が何でも禁煙をしてもらい、さらには併存疾患も見据えての呼吸リハビリテーション、セルフマネジメント教育などの介入を行うことが極めて重要なのです。
2022年09月01日
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