2023年02月13日

第117回医師国家試験解説・D56 46歳女性の血痰

46歳の女性.血痰を主訴に来院した.約2年前から咳嗽と喀痰を自覚していた.徐々に喀痰が増え,2日前から血痰が出現したため受診した.身長160cm,体重44kg.体温37.0℃.脈拍80/分,整.血圧124/72mmHg.呼吸数20/分.SpO2 98%(room air).右前胸部にrhonchiを聴取する.喀痰検査でZiehl-Neelsen染色が陽性であったが,結核菌PCR検査は陰性であった.血液検査で抗MAC〈Mycobacterium avium complex〉抗体が陽性であった.胸部単純CT(他所で参照ください ま、一部気管支拡張像のあるような粒状影です)を別に示す.

この患者で正しいのはどれか.
a 抗菌薬単剤治療を避ける.
b 治療は6ヵ月間が基本である.
c ヒトへ感染させる可能性がある.
d 菌が検出されたら直ちに治療を開始する.
e 土壌や水系などの自然環境には存在しない菌による.

これは一言、いや二言、三言、言いたいことがありますね……。

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この記事へのコメント
MAC症と診断して解答なのでしょうが,微妙に診断基準を満たしていないような….

MACのPCRは,複数回の検出か,菌量は,など.
治療開始時期は非常に難しく,血痰が出てこの年齢なら菌が出て治療でも間違いではないような…,
Posted by KJ at 2023年02月14日 16:32
KJ先生、ご指摘の通りです。あまり批判はしたくありませんが、この問題は問題大ありと思います。
Posted by 長尾大志 at 2023年02月16日 16:12
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