2024年07月19日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊾市中肺炎重症例の補助療法

重症肺炎時にはサイトカインストーム(過剰な炎症によってサイトカインの嵐が吹き荒れる)が生じて肺胞上皮や肺毛細血管内皮の障害を来すことから、炎症を抑えることを意識した補助療法が試みられてきました。

・マクロライド系薬

1つはマクロライド系薬で、重症市中肺炎症例における治療として、各種ガイドラインでマクロライド併用療法を推奨されています。こちらはマクロライドの抗炎症効果と見做されていますが、ひょっとすると彼国では非定型肺炎、特にレジオネラ肺炎の鑑別をきちんとできていないのではないか、と思わなくもないですが……。

・ステロイド薬

もう1つはステロイド薬で、免疫力を低下させる懸念からこれまでにも議論の的になってきました。システマティックレビューのまとめによれば、

•生命予後に影響しない
•肺炎の治癒率を変えない
•重篤な副作用は増加しない
•入院期間が約0.7日短縮

であり、本ガイドラインにおいては軽症〜中等症の成人市中肺炎症例に対して抗菌薬治療に全身性ステロイドを併用しないことを弱く推奨し、重症の成人市中肺炎に対しては併用を弱く推奨する、と、なんとも煮え切らない感じになっているようです。

・酸素療法

そして補助療法のもう1つ、低酸素血症への対応としては、もちろん酸素投与になるわけですが、高度の呼吸不全に対しては気道確保からの人工呼吸器管理、さらに重篤な低酸素血症には、コロナ禍ですっかり有名になった体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation:ECMO)の使用が考慮されます。ただしこれらの治療は侵襲性が強いため、患者背景を考慮する必要があるとされています。

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posted by 長尾大志 at 17:49 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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