COPDになると、「閉塞性障害」になる。そう機械的に覚えていませんか? 機械的な記憶は、記憶が薄れてくると間違いの元。閉塞性と拘束性を間違えたり、所見を間違えたりとか。一度心の底から理解しておけば、間違いも減るというものです。
なぜ、気腫肺があると「閉塞性障害」になるのでしょうか。それを理解するためには、正常肺の素晴らしい仕組みを理解しなくてはなりません。
まず正常な呼吸を考えましょう。吸気時は、横隔膜や呼吸補助筋(吸息筋)が収縮することで、胸郭が外向きに引っ張られ、その結果、胸腔内の圧力が低下し、肺がふくらむことで空気が肺内に取り入れられます。呼気時には逆に、横隔膜はじめ吸息筋が弛緩し、伸びた肺が縮もうとする力(弾性収縮力)によって空気が押し出されます。
空気の出入りは気管〜気管支〜細気管支(気道)を通ってなされるわけですが、一番端っこの細気管支は直径が0.5 mmと、きわめて細いものです。肺の伸び縮みに伴って気道が容易に伸び縮みされるようでは、息を吐くときに気道がぺちゃんこになってしまって困るわけです。
でも安心してください、履いてますよ!人間の身体はうまくできています。呼気時に気道がぺちゃんこにならない仕組みがあるのです。気管〜太い気管支では軟骨の支えがあり、気道の形を保ちます。細い気管支では、周りの肺胞(の壁に存在する弾性線維)が常に少し縮もうとして、気管支を常に外向きに引っ張っています。
肺が縮むときには、常に縮もうとしている肺胞が縮むことで、肺胞内の空気が押し出され、気道の直径が保たれるのです。肺気腫が生じると、この見事な機構が破壊されるために、閉塞性障害が起こります。
2024年11月12日
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