前項で正常肺の素晴らしい仕組みを理解していただきましたが、気腫肺になると、この見事な機構が破壊されるために、閉塞性障害が起こります。
具体的には、タバコによって肺胞壁のプロテアーゼ(蛋白分解酵素)が活性化され、肺胞がほんの少しずつ「溶けてなくなる」ことで、肺の中に穴が開いてきます。これを「気腫」といいます。
気腫が進行すると、細気管支を支えていた肺胞(の壁に存在する弾性線維)が消失します。すると、呼気時に肺が収縮したときに、細気管支は支えを失い、ぺちゃんこに閉塞するのです。
このように気腫性病変によって、COPD患者さんは息を吸うのは吸えるが、吐くときに困難を感じる、つまり呼気時呼吸困難となるのです。
また、タバコによって気管支粘膜の炎症が生じ、気道分泌物・粘液の増加が起こります(気道病変)。加えて迷走神経を介したアセチルコリンによって可逆性に気道が収縮することでも気道閉塞の原因となります。
というわけで、COPDになると以下のような肺機能の変化が起こります。
•息を吐ききれない、息を吐ききったあとも空気が残る ⇒ 残気量が増加
•少しずつ吐ききれない空気がたまってきて肺が伸びる ⇒ 全肺気量の増加
•勢いよく吐こうとすると(すればするほど)気道が閉塞して吐けない ⇒ 1秒量、努力肺活量の低下
2024年11月15日
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