原因疾患のある間質性肺炎の代表が、膠原病に合併した間質性肺炎(膠原病合併間質性肺疾患|CTD-ILD:connective tissue diseases-associated interstitial lung disease)です。膠原病は全身いろいろな部位・臓器に病変が見られますが、肺は中でも病変が見られることが多い臓器といえるでしょう。
膠原病のタイプによって、ある程度どのような肺病変のパターンが生じるかの傾向があり、予後や治療反応性にも関連します。逆に間質性肺炎においては、基礎に膠原病があるかどうかで、治療・予後がずいぶん変わってきます。
発症の仕方は様々で、もともと膠原病があってそこに間質性肺炎が起こってくるパターン、膠原病と間質性肺炎が同時に出現して発見されるパターン、それから間質性肺炎が先行するパターン、いずれもあります。加えて、基礎の膠原病に対する治療薬による薬剤性肺障害や免疫抑制による感染症も少なからずみられ、一口に「膠原病に合併した肺の病変」といってもいろいろとややこしいのです。
治療など詳しくは日本呼吸器学会と日本リウマチ学会による「膠原病に伴う間質性肺疾患 診断・治療指針 2020」を参照頂く、そして呼吸器内科や膠原病内科専門医に相談いただくのがよいですが、ここでは大まかに概要を掴んでいただけるよう、なるべくわかりやすく説明します。
間質性肺疾患の合併する頻度が高い膠原病は,全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)、皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)で、次いで混合性結合組織病(mixed connective tissue disease:MCTD)、多発性筋炎(polymyositis:PM)、10%以下の頻度として関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)、シェーグレン症候群(Sjögren’s syndrome:SS)があります。RAやSSでは細気管支炎や気管支拡張症などの気道病変の合併も多く、患者数も多いことから肺病変に遭遇することは多いと思われます。全身性エリテマドーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)は、胸膜炎はありますが肺病変は少ないです。
通常膠原病の診断、というのは、各々膠原病のタイプに特徴的な症状、症候があって、そこから診断を進めていくものです。例えば、以下のようなものが典型的です。
・慢性関節リウマチ:朝のこわばり、左右対称に(特に中手節関節や手関節に)生じている多発関節炎(腫脹・疼痛)
・皮膚筋炎/多発性筋炎:ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、逆ゴットロン徴候、機械工の手、顔面紅斑、筋力低下・筋痛、爪上皮出血
・強皮症:皮膚硬化、指尖潰瘍、レイノー症状、食道運動の低下(逆流性食道炎)、腎障害、舌小帯短縮、肺高血圧
・シェーグレン症候群:眼・口腔の乾燥症状、環状紅斑、関節炎
・混合性結合組織病:中途半端に重複する膠原病症状、レイノー症状、肺高血圧、手指のソーセージ様腫脹や浮腫
これらの症状・症候からある程度目星が付いたら、診断基準・分類基準を参照して自己抗体など、疾患特異的な検査を行い診断を進めます。
2025年02月12日
間質性肺疾患について、改めてまとめ21・特発性でない間質性肺疾患・膠原病合併間質性肺炎・膠原病肺1・基礎疾患
posted by 長尾大志 at 17:26
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| 間質性肺疾患シリーズ
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