2010年03月27日

学生の間に、たくさん恋をせよ!

私が医学部に入学した当時の某講座の教授が、
入学式直後のオリエンテーションで曰った言葉である。

その意図されるところは、以下のごとくであった。

『学生の間には暇が多くあろうから、
できるだけ多く恋をすべきである。

恋をすると、相手の気持ちは今どうであろうか、
おもんばかる訓練になる。

相手がどうすれば喜んでくれるか、常に考える。
相手がどんな言葉に傷つくか、実感することになる。

喪失の経験を積むことにもなる。

これらはすべて、諸君が臨床医になったときに
患者さんと接する上で、きわめて大事な経験である。

どうせ諸君はこれまで勉強ばかりしてきて、
ろくろく異性と話をしたこともないのであろう。

そんなことでは、とても患者さんの気持ちを
推し量ることはできない。
大事な人が病気になったご家族の気持ちがわかるはずもない。
患者さんに寄り添う医療など、できるはずもない。

全人的な医療を行うためには、医師の人間味が必要なのだ。』

なるほどと頷かされる言葉である。

別に学生の間に限らず、研修医になってからでも
恋をされるのはよろしいと思う。
病棟には若い男女が多く集っておられるのだから、
それが自然なことであろうとも思う。

ただし、私の経験から申し上げると、同じ病棟で
なんだかんだあると、仕事に支障が出ることがある。
また、うまくいかなくなったときが大変であったりする。

であるから、研修医諸君には、あちこちに手を広げないこと、
関係終了時にはきちんとインフォームド・コンセントを得ることを
お願いしたいと思う。

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posted by 長尾大志 at 20:46 | Comment(4) | 教育理念・メッセージ
この記事へのコメント
読んでいて面白い。相手の気持ちを考えることが出来るようになる、確かにそのとおりやと思います。そうでないとやっていけない。あとのはかしこまって書かれたのが多いなーっておもったけど、このブログは自然でおもろかったです
(^O^)
Posted by 呉 さゆり at 2009年04月03日 00:13
コメント、ありがとうございました。
まさかコメントをいただけるとは思ってもみませんでした。

もっとおもしろいこともいっぱいあるんですけど、一般公開の場では、とても書けないことが多いのです…。
Posted by 長尾大志 at 2009年04月03日 19:57
本当にこのブログは自然に読めて楽しいですね!
自分の病気の事で悩んでいてこのページにやってきました。
私はLAMという病気で以前滋賀医大の坂口先生に診てもらったことがあります。そこから京大を紹介されたのですが、、、また滋賀医大にもどれないでしょうか?胸水がいっぱいになってきて抜かなきゃいけないのですけどやってもらえないでしょうか?
というようなコメント書いても許してもらえるんじゃないかな?ていうような印象うけました。
Posted by 益田亜希子 at 2010年02月04日 13:57
あまり患者さんにとって役に立たないブログで、
申し訳ありません。

LAMはとにかく、患者さんを多く診ておられる施設で診てもらうのが良いと思いますが…。
Posted by 長尾大志 at 2010年02月10日 23:41
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