2010年04月22日

呼吸器内科医の望ましいキャリアパスは?(提言)

呼吸器内科医として、当然専門分野を磨く、という考え方もあるが、現在不足していて、需要が多いのは、やはりバランスよくどの分野でも対応できる臨床能力を持つ医師である。当然、呼吸器内科領域だけでなく、幅広く患者さんを見ることができることが望ましい。

そのようになるためには、最初にどこで研修を積むかはともかく、以下のごとき経験は必要であろう。


■ 信頼できる上級医(複数)の元で、カンファレンスなどを繰り返すことでものの考え方、見方、症例のまとめ方などを身につける。手技のやり方も、できればいろいろな流儀を見ておくと幅ができる。


■ 内科全般について、幅広く症例、手技を経験する。手技に関しては確実に、迅速に遂行できるまで磨きをかける。救急・ICU・麻酔科も経験しておくことが望ましい。


■ 呼吸器分野に関して、もちろんできるだけ多くの症例に当たるべきである。癌・感染症・アレルギー・免疫・換気不全など、学ぶべき分野はたくさんある。特に結核・抗酸菌症は、専門病院に行かないとまとまった数の症例を診ることができないので、数ヶ月程度はそういう施設での経験も必要ではないだろうか。


■ できれば、手術にも入っておきたい。肺の柔らかさ、胸腔内の様子を実感する、放射線での所見と肉眼所見を対比することができる貴重な機会である。また、手技を多く経験できる。ドレーン留置はかくも容易なことであると実感できる。


■ レントゲン、CTは読めるようになっておきたい。これは最低限、紳士淑女のたしなみである。放射線科での修行も勧められる。


■ 病理が読めれば、学会で自分が発表するときや、ディスカッションするときに自信を持って発言できる。一定期間、どこかで病理漬けになるのも、いいものである。


■ 一定期間の「研究漬け」生活も必要である。一生臨床医で通すにしても、あるデータ、studyの解釈をする場合、貴重な臨床経験を世に問いたい場合も、研究脳があるのとないのとではその質が違ってくるのである。


いろいろな考え方はあると思うが、あくまで一つの考え方としてお示しする次第である。どこにいても、ある程度はできることもあるし、必ずしも私のようにあちこちの施設を渡り歩く必要はないと思う。

私は決してそうではなかったが、どんな医師になりたいか、というビジョンを持って研修をされると、研修の質が上がるということは言われている。1年目にどこに行くか、ということは、どれからやるか、というだけのことで、結局はどれも必要なのである。あまりいろいろな情報に振り回されず、物事の本質を見てほしいと思う。

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