ひき続き、三浦先生のご講演より。
石綿肺(アスベストーシス)は、石綿を吸い込んで起こる線維化です。
線維化の場所は両側下肺で、嚢胞形成もあり、
一見IPF/UIP(特発性肺線維症)と似ているもの。
では鑑別のポイントは、というと、
1つは、HRCT所見。
もう1つは、
「時間の経過」
とのこと。
石綿肺は、最初の所見が出てから症状が出るまで、
20年以上の経過でゆっくり起こってくる。
発見されてからも、長期間陰影の進展がないのが特徴と言えます。
それに対し、IPF/UIPは、数年の経過で
着実に進行してくる点が、まったく異なります。
昨年、一昨年の胸部レントゲン写真と比較して、
経時的な変化を見ることが、診断につながるのだ、と。
これは、先輩の先生がいつも強調されていた
「胸部レントゲンは、そのときの所見だけでなく
所見の変化にも情報がある。」
この言葉にもつながるもので、なるほどと深く頷かされました。
2010年12月14日
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