「肺炎と抗生剤がとにかくわからない。」
「薬が多すぎて、何を覚えたらいいのかわからない。」
などなど、肺炎の治療と抗生剤の正しい使い方について教えて欲しい、というものです。
うちの大学の医局に所属すると、どの科でも、だいたい滋賀県下の病院に赴任、
となるのですが、滋賀県下でしっかりと呼吸器内科医がいる病院は少ない。
ということは、多くの病院では、肺炎症例は、内科各科で診ていただくことになります。
相談する相手もなかなかいない。
少なくとも、外来、あるいは救急で肺炎症例にあたったとき、
初期対応を間違わずに行う必要がある。
このための手順をまとめたものが、
「市中肺炎ガイドライン」になるのですが、
ポケット版ですら、結構なボリューム。
↓

他科にいく人々にとってはなかなかハードルが高い、
ということで、ローテーター向けに、
市中肺炎ガイドラインスーパー簡単版の講義を行っています。
だいたい所要時間50分程度といったところです。
呼吸器内科医が院内にいなくて相談する人がいない、
そんな、迷えるローテーター諸君のために、
そのエッセンスをご紹介しましょう。
もちろん、他科のベテランドクターの皆様方にも、
お役に立てましたら幸いです。
まずは細菌性肺炎の基礎から。
肺胞領域に細菌による感染が成立し、炎症が生じている状態であり、
肺胞領域に炎症細胞、浸出液、サイトカインなどが出て水浸しになる→浸潤影を来す。
肺に生じた炎症が、全身に及ぶ→発熱。
浸出液がたくさん肺胞にあふれかえり、それが気管支から「痰」として排出される。
浸出液で肺胞が埋め尽くされるため、呼吸の効率が下がり低酸素になる。低酸素になるとしんどいので呼吸数が増える。
上の文章に、肺炎のすべて?が込められています。よくよく味わって下さいませ。
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