2010年12月18日

肺炎と抗生剤(市中肺炎ガイドラインスーパー簡単版)2

いよいよ次は、感染症を考える骨組みを紹介。
と言っても、そう難しく考えることはございません。

全体的な流れはこう。
(O澤先生のスライドより拝借。O澤先生、ありがとう!)

A:感染臓器を把握する

B:起因菌を推定する

C:必要な検査を実施する

D:推定起因菌に有効な抗生物質を投与する

Aの段階:
肺炎の場合、全身症状・症候というと、発熱、心拍数、脱水や経口摂取可能かどうか、というものが挙げられます。

臓器特異的な症状・症候は、当然臓器によって異なるわけですが、例えば肺の場合ですと、痰の量、性状、胸部ラ音、SpO2、呼吸回数、チアノーゼなどが挙げられるわけです。

昨日の記事で書いた、肺炎の記述をもう一度読んでみましょう。


肺胞領域に細菌による感染が成立し、炎症が生じている状態であり、肺胞領域に炎症細胞、浸出液、サイトカインなどが出て水浸しになる→浸潤影を来す。
肺に生じた炎症が、全身に及ぶ→発熱
浸出液がたくさん肺胞にあふれかえり、それが気管支から「」として排出される。
浸出液で肺胞が埋め尽くされるため、呼吸の効率が下がり低酸素になる。低酸素になるとしんどいので呼吸数が増える


症状、症候がほとんど含まれていますね。

もう1つ大事なことは、これらの指標は、
「患者さんのところに行くことで得られる情報である」
ということ。

もう一度言いますよ。
患者さんのところに行きましょう。

PCの前に座って、WBCだ、CRPだ、レントゲンだ、を見ていても、
「肺炎の診療に重要な情報は得られない」
これは肝に銘じるべきです。

う〜ん、長くなったので明日へ。

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posted by 長尾大志 at 21:21 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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