感染症を考える骨組み、全体的な流れはこうでした。
(O澤先生のスライドより拝借)
A:感染臓器を把握する
↓
B:起因菌を推定する
↓
C:必要な検査を実施する
↓
D:推定起因菌に有効な抗生物質を投与する
Aで、肺の感染症だ、と目星がついた。入院していただくかどうかも決まった。
次のB:起因菌推定、続きと、C:必要な検査を実施する、です。
市中肺炎の起因菌は、ガイドラインを見ると以下のような内訳です。
(斜体は非定型病原体)
肺炎球菌
H.インフルエンザ菌
マイコプラズマ
クラミジア・ニューモニエ
ウイルス
レジオネラ
黄色ブドウ球菌
クラミジア・シッタシ(オウム病)
モラクセラ・カタラリス
クレブシエラ
ミレリグループ
嫌気性菌
コクシエラ
緑膿菌
真菌
数字的には、ウイルスまでで大半を占めます。
で、割合としては、やっぱり肺炎球菌が多いです。
そこで、何はなくとも、喀痰の塗抹鏡検、培養、血液培養、
それに尿中抗原はやっておく必要があります。
入院時に、グラム染色で紫色の双球菌が見えた、
あるいは、肺炎球菌尿中抗原が陽性であった、となると、
少なくとも肺炎球菌が起因菌の1つである、と考えられ、
その後の対応はある程度の確信を持って行うことができますね。
また、施設によっては、各種迅速検査が適用可能です。
インフルエンザ
RSV
A群溶連菌
アデノウイルス
マイコプラズマ
など、状況によって使い分けましょう。
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2010年12月21日
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