2010年12月21日

肺炎と抗生剤(市中肺炎ガイドラインスーパー簡単版)5

感染症を考える骨組み、全体的な流れはこうでした。
(O澤先生のスライドより拝借)

A:感染臓器を把握する

B:起因菌を推定する

C:必要な検査を実施する

D:推定起因菌に有効な抗生物質を投与する


Aで、肺の感染症だ、と目星がついた。入院していただくかどうかも決まった。
次のB:起因菌推定、続きと、C:必要な検査を実施する、です。


市中肺炎の起因菌は、ガイドラインを見ると以下のような内訳です。
斜体は非定型病原体)

肺炎球菌
H.インフルエンザ菌
マイコプラズマ
クラミジア・ニューモニエ
ウイルス
レジオネラ

黄色ブドウ球菌
クラミジア・シッタシ(オウム病)
モラクセラ・カタラリス
クレブシエラ
ミレリグループ
嫌気性菌
コクシエラ
緑膿菌
真菌

数字的には、ウイルスまでで大半を占めます。
で、割合としては、やっぱり肺炎球菌が多いです。

そこで、何はなくとも、喀痰の塗抹鏡検、培養、血液培養、
それに尿中抗原はやっておく必要があります。

入院時に、グラム染色で紫色の双球菌が見えた、
あるいは、肺炎球菌尿中抗原が陽性であった、となると、
少なくとも肺炎球菌が起因菌の1つである、と考えられ、
その後の対応はある程度の確信を持って行うことができますね。

また、施設によっては、各種迅速検査が適用可能です。

インフルエンザ
RSV
A群溶連菌
アデノウイルス
マイコプラズマ

など、状況によって使い分けましょう。

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posted by 長尾大志 at 20:48 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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