2010年12月27日

肺炎と抗生剤(市中肺炎ガイドラインスーパー簡単版)11・効果判定

始まりがあれば、終わりもある。

治療が始まったら、どう終わらせるかが大事です。

そもそも開始した抗生剤が効いているのかどうか、評価する必要があります。
肺炎治療における中間評価は、通常3日後(重症の場合は2日後)です。

その際、何を見ましょうか。

レントゲン?
CRP?

いやいやいやいや、最初に書きましたように、「肺炎の診療に重要な情報は、患者さんのところに行くことで得られる」のですよ。

もう一度言いますよ。
患者さんのところに行きましょう。


全身症状・症候:発熱、心拍数、脱水や経口摂取可能かどうか
臓器特異的な症状・症候:痰の量、性状、胸部ラ音、SpO2、呼吸回数、チアノーゼなど

これらに「改善」が見られたら、その治療は「効果あり」です。
効果があれば、だいたい終了時期も見えてくると言うものです。

本来、感染症の治療は、治療開始時に治療期間が見えているもの。
サンフォードにも、多くの感染症で治療期間が明示されています。

まあ、多くの肺炎は書いてありませんが…。
一般的に、基礎疾患のない人であれば、効果のある薬を5〜7日間投与すれば、肺炎は治癒するはず。

最近は入院期間を短くする方向になっていて、注射薬→経口、というやり方もあります。
これもいろいろな考え方がありますので、またの機会に紹介したいと思います。


スーパー簡単版と言いつつ、長々と書いてきましたが、市中肺炎のことはいったん終わります。

学内レクチャーではこの後、O澤先生制作による抗生剤のスペクトル講義があるのですが、
あのスライドは、ケンシロウやらバキやらゴルゴやら、著作権上問題のある人物が多数出演されるため、このブログに掲載することは無理でございます。あしからず。

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posted by 長尾大志 at 12:31 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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