始まりがあれば、終わりもある。
治療が始まったら、どう終わらせるかが大事です。
そもそも開始した抗生剤が効いているのかどうか、評価する必要があります。
肺炎治療における中間評価は、通常3日後(重症の場合は2日後)です。
その際、何を見ましょうか。
レントゲン?
CRP?
いやいやいやいや、最初に書きましたように、「肺炎の診療に重要な情報は、患者さんのところに行くことで得られる」のですよ。
もう一度言いますよ。
患者さんのところに行きましょう。
全身症状・症候:発熱、心拍数、脱水や経口摂取可能かどうか
臓器特異的な症状・症候:痰の量、性状、胸部ラ音、SpO2、呼吸回数、チアノーゼなど
これらに「改善」が見られたら、その治療は「効果あり」です。
効果があれば、だいたい終了時期も見えてくると言うものです。
本来、感染症の治療は、治療開始時に治療期間が見えているもの。
サンフォードにも、多くの感染症で治療期間が明示されています。
まあ、多くの肺炎は書いてありませんが…。
一般的に、基礎疾患のない人であれば、効果のある薬を5〜7日間投与すれば、肺炎は治癒するはず。
最近は入院期間を短くする方向になっていて、注射薬→経口、というやり方もあります。
これもいろいろな考え方がありますので、またの機会に紹介したいと思います。
スーパー簡単版と言いつつ、長々と書いてきましたが、市中肺炎のことはいったん終わります。
学内レクチャーではこの後、O澤先生制作による抗生剤のスペクトル講義があるのですが、
あのスライドは、ケンシロウやらバキやらゴルゴやら、著作権上問題のある人物が多数出演されるため、このブログに掲載することは無理でございます。あしからず。
市中肺炎ガイドラインスーパー簡単版を最初から読む
2010年12月27日
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