日本人って、ブランドが好きじゃないですか。
理由はいろいろあるのでしょうが、やっぱり、品質が保証されている、これを買っときゃ安心、という心理もあるでしょう。
批判的に見ると、モノの本質をわかっていないから、ブランドになびく、という耳の痛い意見もあります。
まあ、確かに、モノの本質をわかっている人は少ない。特に人生経験の短い学生さんは、仕方のないところでもあります。
そういう学生さんたちのブランド志向が、進路選択において、手技志向、ブランド病院志向になるところは、自然の流れと言えるでしょう。
救急とか、プライマリ・ケアとか、わかりやすいテクニックを身につけた方がえらくなれると勘違いしている人が多いですね。
もちろん、手技・テクニックの習得が非常に重要な科はありますよ。
でも、内科医にとって大事なのは、「診断、治療を含む患者さんのマネジメント全般において、筋道を立てて考え、総合的に患者さんを救うことができる」ことなのですよ。
手技偏重で育ってきている若い先生方には、声を大にしていいたいですね。
あと、「内科で必要とされる手技のほとんどは、誰にでもできることであって、できたからって特に自慢にはならない(先輩の言葉)」ことも、強調しておきましょう(もちろん例外はありますが)。
そりゃ、手が動く若い時期に、確実に手技を身につけることは必要です。が、それはあくまで「必要条件」であって、十分条件ではありません。若い時期に一定期間、しかるべき指導医の元で、論理的に考えていく癖を身につけることも、内科医としては大切だと思います。
「研修病院選び方御法度」という本がありますが、
この本、いろいろといいことが書いてあります。進路に悩まれている方は、一度読まれてはいかがでしょうか。
うちでも、病棟の呼吸器内科部屋においてあるので、読みたい方はいつでもどうぞ。
2011年02月16日
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