2011年03月11日

web喘息講座19・喘息と診断されたあとの、患者さんの疑問・質問3・喘息は治りますか?喘息の薬はいつまで続けなければならないのですか?

この答えは、「治るまで」です。

「治るのですか?」と聞かれると思いますが、その答えは、
「軽症の患者さんに、早期治療開始すれば、十分治る可能性はある。」です。


web喘息講座7・吸入ステロイドを早めに使い始める方が、喘息の進行が抑えられるので、喘息が治る可能性もあり、結局使う薬が少なくてすむで引用したデータでは、早期治療群において、5年後に結構な数の患者さんが吸入ステロイドを止められた、となっています。

薬を使わなくても症状が出ない、つまり、治っているのです。

しかし逆に考えると、軽症であっても、吸入ステロイドの開始が遅れると慢性化、リモデリングが進行するということです。


炎症が強く、リモデリングが進行していると思われる以下のようなケースは、なかなか治りにくい、吸入ステロイドを止めるのが難しいといえます。


1.長期間慢性に炎症が続いているほど、リモデリング
 (気管支が硬く、分厚くなっている)が強く、
  長期間吸入ステロイドが必要


2.炎症の度合いが強いほど(発作の回数が多いほど)、
  大量に吸入ステロイドが必要→
  減らしていくのにも時間がかかる


3.併用薬が多いほど(コントロールが難しいほど)、
  長期間、大量に吸入ステロイドが必要


4.治療に入るまでの期間(コントロールされていなかった期間)
  が長いほど、長期間吸入ステロイドが必要


5.治療をしていても、実際しっかりコントロールされていない
  期間が長いと、トータルの治療期間は長い
 (ですから、治療はできるだけしっかり行う必要があります)


6.入院や人工呼吸のような治療を必要とする
  大きな発作が起こった方は、ステロイドを止めない方がよい



患者さんとほとんど初対面なのに、

「あなたの喘息は一生治りません。一生薬は手放せませんよ。」

と言ってしまわれる先生がおられるということをよく耳にします。


確かに上の様なケースだと、長期間吸入ステロイドを使うことになるでしょう。が、最初にそういう言い方をされると、多くの患者さんは医師に対し、いい感情を持たれません

結果的に、治療アドヒアランス(どれだけきっちり治療を続けるか)が悪化し、さらにコントロールが悪くなったりします。

患者さんにお話しする、説明するにも、いろいろな配慮が必要なのです。
最初に書いた様に言われた方が、治療にも前向きに取り組めるのではないでしょうか。



予定よりも少し長くなりましたので、web喘息講座はいったん終わります。

web喘息講座を最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 11:18 | Comment(0) | web喘息講座
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。