日本内科学会誌1月号、薬剤性肺障害の最前線、という記事(日本医科大学斎藤先生、弦間先生著)より。治療についての内容をご紹介します。
基本は被疑薬剤の中止です。被疑薬がすぐに同定可能であればよいのですが、患者さんは往々にして多くの薬を投与されていることが多く、被疑薬がいくつか想定される場合、あるいはDrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS:薬剤性過敏症症候群)のように多剤感作が想起される場合には、使用中の薬剤を全剤中止せざるを得ないこともあります。
また、中止で軽快する場合は話が簡単ですが、薬剤によっては、あるいは薬剤性肺障害の病型や重症度によっては、ステロイド投与が必要です。例えば、最近話題のゲフィチニブ(イレッサ)で間質性肺炎が生じた場合には、直ちにイレッサ中止とステロイド・パルス療法を行います。そのぐらい、イレッサの肺障害は予後が悪いということが知られているわけです。
ですから、診断のところでも書いたように、被疑薬における薬剤性肺障害の報告、その臨床病型(表現型:CTのパターンや他の検査所見、臨床経過など)を調べることが重要なのです。
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2011年03月27日
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