虚脱率が15%を越えるぐらい大きく虚脱している場合は、問答無用でドレナージでしょう。
問題は、小さく虚脱している場合です。
発症のタイミングがハッキリしている場合は、方針を立てやすいです。
受診のパターンとして、大きく分けると、発症してすぐ受診されるか、数日経つのに症状が続くから受診されるかのどちらかです。
しばらくたってからの受診で虚脱率が小さい場合、既に穴がふさがっているか、開いていたとしてもきわめて小さいと推測されます。従って、経過観察でもよいかと思います。あるいは、1回穿刺によって脱気をしておくと、肺を迅速に再膨張させることができます。
発症すぐで、虚脱率が小さいときは悩ましいです。抜けそうなスペースがあれば1回穿刺によって脱気し、経過観察でもいいでしょう。単純に、数時間後胸部レントゲン写真を再検して方針を決めても良いと思います。
そのときのシンプルな基準として、米国の学会によるコンセンサス
「虚脱した肺が肺尖部から3cmあれば」
を、目安にされればいいのではないかと思います。
もちろん、施設によって方針が決まっている場合は、この限りではありません。
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2011年04月11日
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