2011年04月12日

ドレナージの実際・再膨張性肺水腫

実際の手技は、図や写真のある成書をごらんいただくか、手技DVDも出ていますからそちらをごらんいただきたいのですが、やる上で大事なことをいくつか。


再膨張性肺水腫

特に虚脱期間が長かった肺を急に再膨張させると、一気に肺内の血流が増え、血管透過性が亢進して肺水腫となります。程度がひどいと人工呼吸管理が必要となります。


データによると、少なくとも3日虚脱すると発生する可能性がありますが、1時間の虚脱では発生しないといいます。

多くの症例ではその間になると思われるので、悩ましいわけですが。
発生率自体は、1%前後とそれほど高くありません。


陰圧にすると発生しやすいので、少なくとも発症直後でないとき、数日虚脱していると考えられるときは、まず水封にし、陰圧をかけないでおくのが基本です。24〜48時間再膨張が見られなければ陰圧で吸引します。

また、再膨張の速度の目安として、いくつかの数字があります。これも諸説ありますが、450ml/hr未満、あるいは1000ml/day未満であれば起こる危険は低いといわれています。

胸水の場合は抜く量、速度の調整は容易ですが、気胸の場合、抜いた空気の量を測定するのは容易ではなく、また、リークがあるとこの限りではありませんから、あくまで、参考として下さい。


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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 気胸・胸水・ドレナージ
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