2011年04月15日

キューインワン(チェストドレーンバック)の実際・観察すべきところ・水封部

(昨日の続き)これらの3つのビンを一体化させたものが、キューインワン(チェストドレーンバック)なのです。各々の部屋が順番にビンに対応しています。


スライド6.JPG


ですから、ビンでいうとどこにあたるかを理解し、そのビンの意味を理解すれば、観察のポイントは簡単です。


一番大事なところは水封部です。水封部を見て、呼吸(胸腔内圧の上下動)に伴って、水面が上下するのを観察すると、チューブがきちんと開存して胸腔内とつながっているかどうかがわかります(この上下動を呼吸性移動といいます)。呼吸性移動の有無は必ず観察しましょう。ただし、吸引をかけているとこれはわかりませんから、呼吸性移動を確認するときには吸引を止めて下さい

この呼吸性移動を見やすくするために、水には色(青色など)がついています。

さらに、肺に穴が開いていて、空気漏れが続いていると、水の中にブクブク泡が出ます。これはエアリークといい、穴がふさがっているかどうかがわかります。水に色がついているので、これも見やすいです。


呼吸性移動とエアリークの組み合わせは以下の通りになります。

呼吸性移動+ エアリーク−
呼吸性移動+ エアリーク+
呼吸性移動− エアリーク−
呼吸性移動− エアリーク+


1.呼吸性移動+ エアリーク−
 望ましい状態。チューブがきちんと効いていて、エアリークがない=穴がふさがっている状態。これで胸部レントゲン写真上、肺の再膨張があれば、 クランプテストへ。

2.呼吸性移動+ エアリーク+
 まだ穴がふさがっていません。もう少し待ちましょう。

3.呼吸性移動− エアリーク−
 チューブのどこかが閉塞しています。どこかで折れ曲がっていないか、目に見えるところで詰まっていないか、確認しましょう。上級医に報告を。

4.呼吸性移動− エアリーク+
 普通はあり得ません。いや、チューブのどこかが外れているとこうなりますね…。すぐ、上級医に報告して指示を仰ぎましょう。




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posted by 長尾大志 at 10:17 | Comment(22) | 気胸・胸水・ドレナージ
この記事へのコメント
ICUに勤務して2年目になる看護師です。
現在、膿胸貯留にてチェストドレーン留置中の患者様がいます。「呼吸性移動」を観察するのに水封部を見ていたのですが、先輩看護師に呼吸性移動を見るのに水封部を見るのではなくドレーン接続チューブ内の排液が呼吸に伴い動いているかどうか(呼吸性移動)を確認するといわれました。
青色の水封部が呼吸に合わせて水面上下しているか確認するのは間違っているのでしょうか?
Posted by R.INOUE at 2011年07月09日 01:55
チューブ内に排液が多いときは、チューブを見た方がわかりやすいかもですね。
Posted by 長尾 at 2011年07月09日 22:45
整形外科の看護師です。
胸椎手術後たまに胸腔ドレーンが入ってくるのですが、胸腔ドレーンの呼吸性移動について質問があります。
呼吸性移動がない場合の判断なのですが、いくつか文献をみると、ドレナージシステムの異常の他に、病体により肺の拡張が不十分な場合と書いてあったり、肺が十分に拡張した場合と書いてありました。この二つの根拠がよくわからなかったので理由を教えといただきたいです。
Posted by はるか at 2011年12月13日 01:01
肺が十分に拡張した場合は、そのふくらんだ肺でドレナージチューブの先端の穴がふさがってしまうと呼吸性移動はなくなります。

しかし、拡張が不十分な場合は…何でですかね。まさかとは思いますが、吸引しているから移動しない、とかじゃないですよね。

元文献にあたれれば、意味合いがわかるかもですが。
Posted by 長尾 at 2011年12月13日 18:32
総合内科に勤務する看護師です。吸引圧制御ボトルからのエアーリークについて質問があります。
自然気胸の治療で、持続吸引をかける場合が多いのですが、患者の体位により吸引圧制御ボトルからのエアーリークが連続性にみられることがあります。
その場合の対処としては、吸引圧の変更が必要ということになるのでしょうか。
Posted by at 2013年03月21日 04:09
http://tnagao.sblo.jp/article/44332507.html
をご覧頂けましたでしょうか。

吸引圧制御ボトル内の泡は、ブクブクと常に出ているのが正解で、この泡をエアーリークとは呼びません(肺からのエアーリークではないので)。
Posted by 長尾 大志 at 2013年03月21日 13:38
新人NSです。

体位によってエアリークが出現することがあります。その場合は何が考えられるのでしょうか?

また気胸の方で、先輩が「ちゃんと脱気出来てるのかな?」と言ってたのですが、どういうことでしょうか?
Posted by ICUナース at 2013年08月25日 01:28
http://tnagao.sblo.jp/article/60902153.html
この記事の最後にあるように、ドレナージチューブの先の孔がふさがったりするとリークが止まり、体位によって肺の位置が変わるとまたリークが出る、ということでしょう。

後半のご質問はスミマセンがどういうことでしょうか?ちゃんと空気が脱気できてるのかどうかがわからない、という意味だと思いますが…。
Posted by 長尾 大志 at 2013年08月25日 16:27
今さらですが、ドレーンを挿入しているときに気胸と胸水で観察するところが違うところってありますか?
Posted by 2年目看護師です at 2013年10月17日 13:16
観察すべきところは共通ですが…。
気胸の場合、最大の関心は「まだ孔が開いているかどうか」ですから、エアリークの有無が大事でしょう。
胸水は「どの程度出ているか」が問題ですから、日々出てくる水の量が大事です。
もちろん、いずれの場合も、きちんとチューブが効いているか=呼吸性移動があるか、も大事ですね。
Posted by 長尾 大志 at 2013年10月17日 15:15
内科勤務の2年目看護師です。

胸水貯留でトロッカーが入っている方がいます。
呼吸性変動(+)リーク(-)でしたが、ある日リーク(+)になりました。
これは肺に穴が開いてしまったということになるのでしょうか?
Posted by at 2013年10月30日 22:42
呼吸性変動(移動)はどうだったのでしょうか。

変動ありで、リークがなかったのがまた生じてきたら、やはり肺から空気が漏れている可能性があると考えられます。体位の関係で一旦孔がフタをされていたのがずれたとか。
Posted by 長尾 大志 at 2013年10月31日 17:52
大変興味深く拝見させていただきました( ^ω^ )
質問なんですが、ventilation装着時の呼吸性移動について調べていますがいまいち正解にたどりつけていません。以前、venti装着時のドレーンの呼吸性移動は陽圧の関係で逆になるんだよと先輩に教えてもらいましたがいまいちイメージができません。もしよければ、教えていただけるとたすかります。
Posted by kana at 2013年11月03日 15:03
いまいちイメージが出来ない理由がどこにあるのかを確認したいので、kanaさんがどう理解されているのかを教えてください。
通常呼吸時の呼吸性移動はどう動くはず、と理解されていますか?
Posted by 長尾 大志 at 2013年11月05日 21:42
外科看護師一年目の看護師です

胸腔ドレーンのQ-1の仕組みについて、
青い部分はいつもぶくぶくとしているのですが
エアーリークとの違い、エアーリークの確認の仕方がわからないです。
もしよければ教えていただきたいです
Posted by えり at 2013年12月08日 21:26
青い部分がいつもブクブク…ですか。私の理解ではそれはエアーリークなのですが、ひょっとしてメーカーが異なると色も違うのかもしれません。そうなるとなんとも。
Posted by 長尾 大志 at 2013年12月09日 16:36
返信ありがとうございます。

吸引圧がかかるとぶくぶくしていておかしくないとのことですが、それは青ではなく黄色の部分なのですか?
Posted by えり at 2013年12月09日 21:26
(以前にご返事していたつもりでしたが、違う記事にコメントしていましたので改めてこちらにもコピーしておきます。)

そうですね。吸引圧の調節をするのは黄色い水の部屋になります。
http://tnagao.sblo.jp/article/44332507.html
も参考にして下さい。

エアリークと呼吸性移動をみるのが青い水の部屋です。
Posted by 長尾 大志 at 2014年02月04日 17:28
看護学生です。
国試の勉強をしていて水封式ドレーンがよくわからなくなり、よませていただきました!
水封式ドレーンの正常、異常って
引圧部の黄色い水はブクブクしているのが正常で
水封部の青水の部分はブクブクしていたら
異常があるという解釈であっていますか?
すごく簡単な質問で申し訳ありません(>_<)
Posted by かなこ at 2014年02月08日 17:30
水封部が青い水、吸引圧部が黄色い水ですので、その解釈で合っています。
Posted by 長尾 大志 at 2014年02月08日 22:54
3年目看護師です。
気胸があり、陰圧で引いていました。水封室は激しくぶくぶくしていました。このとき
陰圧のぶくぶくが水封室のほうにも伝わってきているように見え、エアリークなのか否か判断がつきませんでした。
そのためエアリークを見る際は、陰圧を影響のないくらいの数秒程度、いったん止めて観察しました。
これは正しくないのでしょうか。

観察の仕方として正しいのは、陰圧を止めてみるのか、そのままみたほうがよいのかも教えていただきたいです。
Posted by ようこ at 2014年04月14日 10:22
>陰圧のぶくぶくが水封室のほうにも伝わってきているように見え、エアリークなのか否か判断がつきませんでした。
青色の水の中に水泡が見えるかどうかがわからなかったということですか?ちょっと状況がよくわかりません。
陰圧を掛けているときにエアリークがあって陰圧を止めるとなくなる、ということもありますから、吸引を止めて観察するとエアリークを過小評価する可能性はあるでしょう。
Posted by 長尾 大志 at 2014年04月14日 15:07
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