2011年04月21日

呼吸音・ラ音について・連続性ラ音

ラ音とは、異常に聞かれる呼吸音のこと、と考えましょう。

教科書を見ると、こんな風に書いてあります。
でも意味までは書いていないことが多い。

連続性ラ音:高調性→wheezes 「ピー」「ヒュー」
     :低調性→rhonchus 「ブー」「グー」
断続性ラ音:粗雑な→coarse crackles「ブツブツ」
     :細かい→fine crackles「パリパリ」「パチパチ」


少し解説します。

連続性ラ音とは、空気の通り道(気道)が狭くなって生じるものです。


笛の原理です。笛って、空気が通る管を作って、そこの一部をわざと狭くして音を出し、管全体で共鳴させて音を出すものですね。


笛の大きさを考えていただくと、高い音を出す笛(ピッコロ、フルートなど)は、小さい、径の細い筒ですが、低い音を出す笛(ホルン、チューバなど)は、大きい、径の太い筒ですね。


ここまで書くと、カンのいい方ならお気づきかもしれません。

連続性ラ音の中でも高音・高調性の音(wheezes)は、細い(末梢の)気管支の狭窄、低音・低調性の音(rhonchus)は、比較的太い(中枢の)気管支の狭窄で聞こえるのです


つまり、wheezesは末梢の細気管支が閉塞する病態、すなわち喘息に特徴的な所見と言えます。吸気、呼気のいずれでも聴取しうるのですが、吸気の方がわずかながら気管支の径が大きくなるので、呼気の方が聴取しやすい、となります。


一方、rhonchusは、中枢の気管支が閉塞する病態、例えば中枢の腫瘍で気管支が狭窄した、とか、固い痰がこびりついて狭くなっている、とか、そういうことが想定されるのです。こちらも吸気、呼気のいずれでも聴取しうるものです。


痰なんかだったら、咳をしてもらって、それで変化することもあるので、参考になります。


ちなみに、吸気で、気管部でよく聞かれる「スー」「プー」は、上気道からの音であることが多く、肺の領域で強く聞かれる上記の音とは異なるものです。


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posted by 長尾大志 at 10:54 | Comment(6) | 呼吸器疾患診断手順ガイド
この記事へのコメント
はじめまして。福岡県の病院で看護師をしています。質問があるので、コメントさせていただきました。触覚振盪音についてです。空気より水分のほうが音の伝達がよいため、体内が液体や固体で満たされた場合触覚振盪音は増強すると、フィジカルの本にあるのですが、痰の貯留や胸水が貯留している場合はどうなりますか?ある本には減弱とあるのですが、水分があるのなら増強するのではないでしょうか?こんな質問で申し訳ないのですが・・・。できればお返事いただけるとありがたいです。お願いしします。
Posted by ともみ at 2011年12月29日 10:17
触覚振盪音、というのは声音振盪のことですね。

音自体の速度は空中より水中が約4倍早いのですが、声音振盪は声帯で発生した音が気道を伝って肺の末梢〜胸壁に到達する、そのしやすさを見て(感じて)いるわけですから、気道内が痰で閉塞していたり、肺の外に水(胸水)があったりすると伝わりにくいわけです。この説明でだいじょうぶでしょうか。

それにしても学生さんで国試の勉強中ならともかく、看護師さんをやっておられて声音振盪についてきちんと調べられるというのは素晴らしいですね。今後とも頑張ってください。
Posted by 長尾 大志 at 2011年12月29日 23:01
断続性ラ音のことで質問させください。
6歳の男の子なのですが、ドクターにCracklingと言われました。
海外在住で医療用後が細かく分からないのですが、Cracklingは断続性ラ音で、稔髪音とは違うのでしょうか?
右肺の下の方で聞こえており、ラ音と稔髪音では診断がすごく変わりますよね?
ラ音は気管支炎でも聞かれるものなのでしょうか?
レントゲン以外撮ってもらえないので詳しく診断してもらえないので、ドクターに言われたことや血液検査の結果などをもと自分で調べています。
ラ音が聞かれる症状はたくさんあると思いますが、ラ音と稔髪音が同じなのか違うのか知りたいです。
Posted by 独学女性 at 2013年01月20日 00:24
http://tnagao.sblo.jp/article/44491486.html
にあるとおりで、痰があったらcoarse crackleは聞こえうるので、そのことを言われているかもしれません。
Posted by 長尾 大志 at 2013年01月20日 10:39
既に長尾先生が簡潔に解説されていますが、ともみさんの疑問にはこうも答えられるかと考えました。

体内が液体で満たされるというのは
1, 胸水が過剰に貯留する
2, 気道に水が溜まる(炎症や肺水腫)
がありますが、1は振盪減弱、2は振盪亢進となります。

声帯で発せられた波動は1の場合、肺は空気で満たされてますから、空気を媒体として伝わりますが、胸膜腔が大量の水で満たされているために、波動は肺胞から先に伝わらず、反射してしまいます。(プールの水面に向かって叫んでも、水中に音は伝わらない。)
すなわち胸壁に振盪は伝わりません。

しかし、2の場合は、声帯で発せられた波動は水を媒体として、ともみさんの仰るように波動はより効率的に伝達されていきます(亢進する要因A)。
胸膜腔には生理的に、少量の水が含まれていますが、波動の媒体は同じなので、反射することなく(亢進する要因B)、波動は透過し、胸壁にまで振盪として伝わるということになります。

水がどこに溜まっているのか、音が何を媒体として伝わり、それぞれの媒体で減弱する程度はどうか、異なる媒体間を音が伝わる時に反射するのか透過するのかということだと思います。
Posted by 学生 at 2014年05月24日 20:45
ありがとうございます。この記事の時にはきちんと説明できていませんでしたね。
http://tnagao.sblo.jp/article/90275691.html
からの記事で説明しています。
Posted by 長尾 大志 at 2014年05月24日 22:08
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