断続性ラ音:粗雑な→coarse crackles「ブツブツ」
:細かい→fine crackles「パリパリ」「パチパチ」
でした。
この2つは、連続性の時のように、同じ範疇のもの、と思われがちなのですが、実は、全く違うものなのです。
coarseの方は、別名「水泡音」ともいわれ、気道内の分泌物がブルブル震えるときに出る音といわれています。呼気時主体ともいわれますが、吸気時に聞こえても不思議はありません。
痰なんかだったら、咳をしてもらって、それで変化することもあるので、参考になります。
それに対して、fineの方は、別名「捻発音」「ベルクロラ音」などと呼ばれるもので、(特に線維化のある)間質性肺炎の時に、しなやかさが失われた肺胞が、ふくらむときにバチンと鳴る音が集合して聞こえるものです。ですから、線維化が生じやすい肺底部、背側でよく聞こえますし、基本、吸気時の終わりの方でのみ聞こえるはずです。
音色そのものの違いもさることながら、呼吸相のどこで聞こえるか、あるいは聴取の場所はどこか、というところが鑑別のミソとなるのです。
質問です。
何故肺底部は繊維化しやすいのでしょうか?
いろいろと「説」はあったりします。もっともよく動くところだけに、動的ストレスがかかるとか…ただ、肺線維症のメカニズム自体がイマイチ明らかでないので、なんとも難しいようです。
出来ましたら是非将来は呼吸器科を専攻され、この謎を解明して下さい。
書籍版をお持ちの方におかれましては、申し訳ございませんが訂正をお願いしたいと思います。