2011年05月13日

咳の鑑別5・慢性の咳にはまずレントゲン

2,3ヶ月前から咳と痰が続いている。
熱や鼻の症状はない。

こういう病歴の場合、種々の呼吸器疾患が鑑別にあがってきます。


まず胸部X線写真を撮ってみましょう。

X線で診断可能である疾患で、多いものは
肺炎・気管支拡張症・肺気腫(COPD)・結核・間質性肺疾患・肺癌
などが挙げられます。



胸部レントゲン写真で異常がある場合、次のステップとしては以下のような手順になります。

機能診断→呼吸機能検査(COPDや間質性肺炎などの診断に)

形態診断→胸部CT(もう一歩進んだ鑑別のために)

質的診断→喀痰検査・気管支鏡検査・外科的肺生検(検体を得るために)


となります。


感染や変性疾患、膠原病や肉芽腫性疾患、悪性腫瘍など、
多種多様な病因を持つ疾患群の鑑別は、
これらの検査を組み合わせて迫っていきます。


このあたりは、レントゲン、CTの項で改めて触れていきたいと思いますが、
なかなかレントゲンの講義をテキストで再現するのはハードルが高いですね。
もう少し時間をいただくことになると思います。




胸部レントゲン写真で異常がない場合、
実は最近大変多く、困っておられる患者さんが多いケースなのですが、
この鑑別について、次回から触れていきます。


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posted by 長尾大志 at 09:14 | Comment(0) | 咳の鑑別
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