2011年05月17日

咳の鑑別8・胸部レントゲン写真で異常がない慢性の咳・感染後咳嗽・アトピー咳嗽

感染後咳嗽

主にウイルスによる上気道感染後、遷延性に咳が続くものです。
他に、マイコプラズマや百日咳のように、治癒後も咳嗽が残る感染症が知られています。


治療は特異的なものはなく、いろいろな鎮咳薬を組み合わせて用います。「日にち薬」も有効です。


この言葉が一人歩きして、咳喘息が見逃されている側面もありそうなので、注意が必要です。基本的には、感染後咳嗽は繰り返すことはないと考えましょう。繰り返す場合は咳喘息を疑います。



アトピー咳嗽

なかなか、咳喘息や感染後咳嗽との異同について、理解が難しい疾患概念です。

喉頭の掻痒感を伴う乾性の咳が主な症状で、喉頭のアレルギーによる咳、と考えておかれればわかりやすいと思います。


治療は咳喘息と異なり、ヒスタミンH1受容体拮抗薬ですが、重症例ではステロイドが必要になることもあります。喘息に移行することはありません


アトピー素因があり、β2刺激薬が無効な慢性の咳で、ヒスタミンH1受容体拮抗薬やステロイドを投与して有効であれば診断可能です。


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posted by 長尾大志 at 18:38 | Comment(0) | 咳の鑑別
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