2011年05月24日

慢性の咳・症例もう1例

50歳代の男性。

昨年11月 感冒様症状が出て以来、寒気を感じるたびに咳が止まらなくなった。痰はなし(乾性)。本年3月近医を受診し風邪薬を処方されたが、良くならなかった。
現在は外気温が下がったことが誘因になって咳が出る。


そういえば以前から風邪を引いたときに咳が出る。

既往歴:
21歳時、アレルギー性鼻炎で鼻粘膜を削る手術。

生活歴:
喫煙:20歳〜40歳 10本未満/日 以降禁煙
食事:食欲はあり、ムカつきなし 
内服薬:現在は特になし
職業:粉塵暴露歴無し


胸部レントゲン写真、副鼻腔を見てみましょう。


coughba1.jpg

coughba2.jpg

coughba3.jpg


肺内には問題となる所見はなさそうです。上顎洞の濃度低下はありますが、手術の影響もあり、乾性咳嗽なので後鼻漏の可能性は低いと考えられます。


繰り返しのepisode、気温変化に誘発される咳は咳喘息を示唆します。
咳喘息以外には、胃・食道逆流症などが鑑別にあがってきます。


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posted by 長尾大志 at 18:17 | Comment(0) | 咳の鑑別
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