2011年06月06日

真菌症のちょっとしたこと5・アスペルギローマと、アスペルギローシス(と、ABPA)の違い1・アスペルギローマ

アスペルギルスは真菌なわけで、空中に胞子が浮いています。それを吸い込んで体内に入る。通常の免疫力がある人で感染が成立することはありませんが、何らかの理由で免疫力が低下していると感染が成立します。



〜omaというのは、かたまりを意味します。

元々結核や嚢胞性肺疾患などでできた空洞部分、そこは通常の免疫が働きません。そのため、その「」にはアスペルギルスが生育します。


生育した菌体はキノコのようなかたまりを作り(菌球=fungus ball)、空洞いっぱいになるまで発育します。が、空洞の外は通常の免疫力が働いているため、空洞の外にはみ出して発育することはありません。


キノコ成分が空洞をうめてくると、残存している空気部分が三日月状になり、 air-crecsent sign と呼ばれる状態になります。


無症状のことも多いのですが、血痰や喀血を来すこともあり、治療を要します。治療は切除が原則ですが、患者さんの状態によって、抗真菌薬を使われることもあります。


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posted by 長尾大志 at 12:26 | Comment(0) | 真菌症のちょっとしたこと
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