2011年06月30日

胸部レントゲン写真で、ここまでわかる・シルエット・サインを使う3の回答

この病変。


silhouette101.JPG


心陰影(左3〜4弓)は見えています。
これを、シルエット・サイン陰性といいます。


これは、心陰影を作る心臓の外縁と病変部が接していないことを表します。
心臓より前方には、スペースは限られていますので、この大きさの病変が
前方に入る余地はありません。したがって、後方にあると考えます。


加えて、横隔膜が見えています。
これもシルエット・サイン陰性。


横隔膜は主にS8と接していますので、S8には病変がないということがわかります。


さらに。

下行大動脈を見ると、ココで途切れています。シルエット・サイン陽性です。


silhouette102.JPG


ということで、心陰影、横隔膜には接していないが、下行大動脈に接している。すなわち、S10の病変であることがわかります。


側面像でも、このように背側にありますし、


silhouette10RL.jpg


CTでも、横隔膜ドームの後ろにある(接していない)ことがわかります。


silhouette10CT1.jpg


silhouette10CT2.jpg


胸部レントゲン写真で、ここまでわかるを最初から読む

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posted by 長尾大志 at 12:16 | Comment(2) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
この記事へのコメント
レントゲンの正面像では横隔膜より高い位置に腫瘤影が有る様に見えましたが、それは横隔膜とのシルエットサインが陰影であるからで、実際はS10の肺底部まで病変が有った事が正面像からは分かりませんでした。
また勉強になりました!
Posted by シロクマ at 2020年05月08日 18:44
勉強になって幸いです。
Posted by 長尾大志 at 2020年05月08日 23:46
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