2011年07月19日

長い長い結核の話1・プロローグに換えて

かつて、結核病棟に1年半勤めていました。

その時は呼吸器科医が1人で結核病棟52床だったこともあり、結構大変でしたが、耐性菌や薬剤の副作用、粟粒結核やリンパ節結核、腸結核に膿胸、カリエスなど、さまざまな経験ができました。現在近畿中央病院におられる、鈴木克洋先生には、結核のイロハからさまざまな事例まで相談に乗っていただき、本当にお世話になりました。深く感謝しております。


そのときは、「結核というのは本当に困った病気だ」と思っていたのですが、その場を離れて、色々勉強してみると、結核菌という一つの種が、種の存続を図るためにあらゆる手段を用いている、その努力?に驚嘆するばかりであります。


そこで、ある程度いろいろなことがわかっている結核菌を題材に、感染症とその治療について考察をしていこうと思います。


主に当時に勉強した、あるいは教えていただいたいろいろなデータを元にお話を勧めて参ります。特に鈴木先生に教えていただいた、数々の興味深いデータをお借りしておりますので、重ねてお礼申し上げます。


結核菌は至適発育温度が37℃、酸素と少量の二酸化炭素を必要とする菌です。
このような場所は、地球上で、いや、おそらく全宇宙を探しても、ヒトの体内しかないでしょう。そうです。結核菌はヒトの体内でしか生きられないのです。




生きとし生けるものがいかにして種の存続を図らんとしているか、そして運悪く、ヒトに対して病原性というものを持ってしまった。そうなると、いかにしてそれを排除するのか。などなど、いろいろと語らねばならないことがあるのです。いつも学生さんに話しはじめると長くなってしまうのですが、ご興味のある方はおつきあい下さい。


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posted by 長尾大志 at 07:36 | Comment(0) | 長い長い結核の話
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