おさらいをしておきましょう。
結核菌が体内に入ると、通常の免疫力があるヒトの場合、「感染」が成立する。「感染」状態では他人にうつすことはない。
免疫力が低下するような状況になると、「発病」する。
「発病」すると感染力を持つ。
免疫力が低下するような状況
- 糖尿病
- 胃切後
- 担癌状態
- ステロイド使用
- 透析中
- HIV感染
- 不規則な生活
- 偏食・栄養障害・やせ
- 喫煙・飲酒
ただし、皆が皆、発病するわけではありません。
だいたい感染者の10%、1割が発病するといわれています。
発病すると、結核菌は増殖し、病変を作る。病変は乾酪壊死巣を形成し、気管支内から壊死物質が流出することで空洞を形成する。
空洞を形成すると一気に菌量が爆発的に(1,000倍)増加し、痰にのってどんどん喀出され、新天地を求めて外界へ飛び出します。
しかし感染も、かなり率としてはよくありません。
患者さんの同居家族で25〜50%、
親戚や親友、つまり時々会って顔を近づけて話す人で2.5〜5%
同僚、友人など、会ったときにも距離のある人で0.25〜0.5%の割合で感染するとされています。
つまり感染率自体、それほど高いものではありません。飛び出す飛沫核も、ほとんどが死にゆく運命にある決死隊、という感じなのです。
仮に地球が住めなくなったら、人類はよっぽど心して移住計画を立てないと、種の保存は叶わない、ということだと思います。
長い長い結核の話を最初から読む