戦後すぐの結核蔓延期に青春時代を過ごされた、多くの高齢者の体内には、結核菌がぬくぬくと暮らしています。
多くの方はそのまま、結核菌が目覚めることなく寿命を迎えられるのですが、結核菌を持っている(感染が成立している)方のうち10%程度は、免疫力の低下とともに結核菌が目を覚まし、発病します。
このような(通常よく見られる)発病のカタチを二次結核といいます。
二次があれば一次もあるわけで、結核菌が体内に入ってすぐに発病するカタチを一次結核と言います。
一次結核になる場合というのは、結核菌が体内に入ったときにしかるべき処理をするための免疫力がない、例えば乳幼児とか、高齢者であるとか、HIV感染とかの理由があるときです。
この場合、通常の、乾酪壊死を作って空洞を作って…という肺結核のパターンを取らず、
肺門リンパ節腫大や胸膜炎、あるいは粟粒結核や髄膜炎といった肺外結核を来すのが特徴です。
それに対して二次結核では、よく見られる空洞病変や小葉中心性粒状影といった、肺病変が中心となります。
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2011年08月03日
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