2011年08月03日

長い長い結核の話11・一次結核と二次結核

戦後すぐの結核蔓延期に青春時代を過ごされた、多くの高齢者の体内には、結核菌がぬくぬくと暮らしています。


多くの方はそのまま、結核菌が目覚めることなく寿命を迎えられるのですが、結核菌を持っている(感染が成立している)方のうち10%程度は、免疫力の低下とともに結核菌が目を覚まし、発病します。


このような(通常よく見られる)発病のカタチを二次結核といいます。


二次があれば一次もあるわけで、結核菌が体内に入ってすぐに発病するカタチを一次結核と言います。


一次結核になる場合というのは、結核菌が体内に入ったときにしかるべき処理をするための免疫力がない、例えば乳幼児とか、高齢者であるとか、HIV感染とかの理由があるときです。


この場合、通常の、乾酪壊死を作って空洞を作って…という肺結核のパターンを取らず、
肺門リンパ節腫大や胸膜炎、あるいは粟粒結核や髄膜炎といった肺外結核を来すのが特徴です。


それに対して二次結核では、よく見られる空洞病変や小葉中心性粒状影といった、肺病変が中心となります。


長い長い結核の話を最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 11:17 | Comment(0) | 長い長い結核の話
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。