2011年08月04日

長い長い結核の話12・咳と飛沫と飛沫核と感染

結核を発病した患者さんは咳をされます。すると、増殖した結核菌は痰にのってどんどん喀出され、新天地を求めて外界へ飛び出します。


このときに出るしぶきを飛沫といいますが、だいたいこのぐらいは出ているそうです。


  • 会話 200個

  • 咳 3,500個

  • くしゃみ 4,500〜1,000,000個



100万個!といえば、餃子の王○が1日に作る餃子の数と同じ…って、
多いのか少ないのか、わかりにくいたとえでスミマセン。


咳やくしゃみが、いかに多くの飛沫をばらまいているのかをイメージしていただければと思います。


飛び出した飛沫核の大きさは、5μmという、気管支に沈着しやすい大きさであり、次の宿主の気管支内に入り込み沈着することで「感染」が成立します。


この感染率については以前にも書きましたが、

  • 患者さんの同居家族:25〜50%

  • 親戚や親友、つまり時々会って顔を近づけて話す人で2.5〜5%

  • 同僚、友人など、会ったときにも距離のある人で0.25〜0.5%



程度の割合で感染するとされています。
感染する率というのは、実はそれほど高くありません。



医療従事者の感染予防のためにはN-95マスクを装着します。
結核以外にも麻疹、水痘といった空気感染をする感染症治療にあたってはN-95マスクを装着するのです。


これは微粒子も通さないマスクですが、患者さんには、飛沫が飛び散るのを防止する目的で、普通のマスク(サージカルマスク)を装着していただきます。


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posted by 長尾大志 at 09:21 | Comment(0) | 長い長い結核の話
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