結核に特徴的な粒状影や空洞を伴う結節なんかもありません。
まあ、単純レ線ではわかりにくいかもしれませんが…。
それと末梢血の好酸球高値。
これだけで、「好酸球性肺炎」という診断がついてしまいます。
鑑別すべきは、その他の間質性肺炎+薬剤性好酸球増多。
本症例は、BALにて好酸球著増(>80%)しており、しかもMPO-ANCA陽性というおまけまであったことから、好酸球増多症、なかでも、喘息をbaseに発症するChurg-Straussの要素が考えられました。
薬剤の影響は完全には除外できないものの、薬剤中止後も症状、検査所見が改善しないこと、また、それと疑わしい使用薬剤がなさそうであったことから、一応否定的と考えました。
発熱以外に血管炎症状はなく、生検でも血管炎所見が得られなかったことから、疑い例としてステロイド+エンドキサンを投与しまして、すっかり改善しました。




しかし、この症例を「結核」とは…。
昔の先生は、「影があれば結核」と思っておられましたが…。
長い長い結核の話を最初から読む