2011年08月27日

長い長い結核の話31・昨日の「今日の症例」回答

まず、陰影はすりガラス影なんですね。しかも両側。
結核に特徴的な粒状影や空洞を伴う結節なんかもありません。

まあ、単純レ線ではわかりにくいかもしれませんが…。


それと末梢血の好酸球高値。

これだけで、「好酸球性肺炎」という診断がついてしまいます。


鑑別すべきは、その他の間質性肺炎+薬剤性好酸球増多。


本症例は、BALにて好酸球著増(>80%)しており、しかもMPO-ANCA陽性というおまけまであったことから、好酸球増多症、なかでも、喘息をbaseに発症するChurg-Straussの要素が考えられました。
薬剤の影響は完全には除外できないものの、薬剤中止後も症状、検査所見が改善しないこと、また、それと疑わしい使用薬剤がなさそうであったことから、一応否定的と考えました。


発熱以外に血管炎症状はなく、生検でも血管炎所見が得られなかったことから、疑い例としてステロイド+エンドキサンを投与しまして、すっかり改善しました。


100915CR.jpg

101117CT1.jpg

101117CT2.jpg

101117CT3.jpg


しかし、この症例を「結核」とは…。
昔の先生は、「影があれば結核」と思っておられましたが…。


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posted by 長尾大志 at 19:20 | Comment(0) | 長い長い結核の話
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