結核にあれだけ長く触れたので、こちらにも触れないわけにはいかないでしょう。とはいえ、あれほどは長くならないと思います。
今回のシリーズでは、7月の呼吸器学会地方会でお話を伺った、琉球大学の藤田次郎先生のご講演も、一部参考にさせていただきます。
そもそも非結核性抗酸菌症、抗酸菌のうち、人に病原性のある代表的な菌、結核菌とらい菌以外の、雑多な抗酸菌の総称です。
種類は結構多く、数十種類以上もありますが、そのうちヒトに対して病原性を持つものは少数です。
菌としては抗酸菌であり、胃内でも生きていける、というところは結核菌と似ていますが、生息している場所は結核(ほぼヒトの体内に限られる)とは異なり、自然環境内に広く存在します。ヒトの体内に生息するのはむしろirregularであり、基本的には、ヒトーヒト感染はないというのが定説です。
水環境や土壌などに常在する菌を吸引し、「たまたま」定住することで感染が成立し、増殖するとこれが発症となるのです。
おそらく宿主側の(免疫学的機序による)要因で罹る人、罹らない人が決まるのだと考えられていて、それゆえ罹ってしまうということは、それなりの原因があるわけで、治癒、除菌が難しいケースもあるのです。
それほど長くない非結核性抗酸菌症の話を最初から読む
2011年08月29日
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