2011年09月12日

何気なく投与している酸素についてちゃんと考える6・鼻カニュラにおいて、患者さんの呼吸様式(呼吸の深さ、呼吸数)で吸入気酸素濃度(FIO2)が変化する理屈

実は実は、酸素療法の大切なところはここからだったりするのです。


管から流れてくる酸素の量はたかがしれています。
でも、呼吸休止期にちょろちょろと流れてくる酸素を鼻腔にためておき、それを一緒に吸うことでFIO2を効率よくあげることができる。


この、酸素をためておくところをリザーバーと呼びます。

特に鼻腔は、元々人間が持っているリザーバーですので、解剖学的リザーバーと呼んでいます。



さて、患者さんの呼吸様式(呼吸の深さ、呼吸数)は状態によってまちまちです。


たとえば「息が苦しい」と感じると、普通は呼吸が速く、浅くなります。

そうなるとどうでしょう。
息を吐いてから次に吸うまでの時間が短くなる。


すると、解剖学的リザーバー(鼻腔)内に酸素がたまる暇がなくなってしまい、結果、FIO2は低下してしまいます。

患者さんが苦しくてがんばって呼吸するほど、低酸素になってしまうという、なんとも裏腹な事態になってしまうのです。



逆に、呼吸がゆっくりであると、FIO2が上昇します。

特に、CO2が貯留しているU型呼吸不全の患者さんでは、呼吸がゆっくり〜FIO2が上昇〜さらに呼吸がゆっくり〜さらにCO2貯留〜CO2ナルコーシスとなるため危険なのです。


つまり、患者さんの呼吸様式(呼吸の深さ、呼吸数)が変わると、解剖学的リザーバーにたまる酸素の量が変わるため、吸入気酸素濃度(FIO2)が変化するのです


酸素投与の際には、是非理解しておきたいことです。


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この記事へのコメント
解剖学的死腔=解剖学的リザーバーということでしょうか?
Posted by マツムラ ショウマ at 2021年09月08日 11:44
リザーバー=貯めるところ、
死腔=無駄なところ、イランところ
くらいの意味ですので、そもそも指しているものが違うと思います。

http://tnagao.sblo.jp/article/182889159.html
http://tnagao.sblo.jp/article/182900750.html
Posted by 長尾大志 at 2021年09月08日 14:36
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