これは、「ためておいた酸素を、吸気にあわせて放出する」しかありません。
酸素をためておく場所=リザーバー、でしたね。
鼻カニュラの場合、鼻腔が解剖学的リザーバーになるのですが、その容量はたかだか50ml程度。マスクでも150mlぐらいのものです。ですから、FIO2もさほど上がりません。
それが、マスクとチューブとの間に袋(リザーバー)を挿入すると、吸気時にはそれまでに袋にためてあった酸素を吸い込むことになり、FIO2が上昇するという寸法なのです。
とはいえ、なかなかFIO2は上がらない、というのが実際のところです。
それ以上必要となってくると、酸素を機械的に圧縮して高流量を送り込む、人工呼吸器の出番です。
何気なく投与している酸素についてちゃんと考えるを最初から読む
酸素のチューブを患者さんの顔から遠い、バッグの底の部分に取り付ければ、患者さんの吸気、呼気に関係なく常に高濃度の酸素がバッグ内に貯留するので、より高い酸素を含んだ空気を吸うことになり、FiO2の上昇にもつながると思います。
柔らかくて常に伸縮するバッグの底に酸素のチューブを接続するのは技術がいると思いますが、そのようなリザーバーマスクはないでしょうか?
先日記事で少し書いた「ネーザルハイフロー」はこのような悩みを解消する優れもの、のような気がしています。
もう少し実際に使ってみて、使用感をレポートしたいと思います。