2011年10月03日

「診断学」咳・痰・血痰・喀血6

H:肺胞レベルで少量の出血が起こって血液が混じると鉄さび色とかオレンジ色になるけど、肺胞から多量に出血したり、もっと中枢というか、気管支から出血したりすると、まさに血の色の痰というか、血そのものが出るね。

F:血痰とか、喀血っていうことですね。

H:そう。血痰や喀血は、一つの分け方として肺胞からの出血と、気管支からの出血があるね。肺胞からの出血は炎症による肺胞の破壊と血管透過性の亢進によって、気管支からの出血は気管支の血管壁の破壊や、炎症で傷がつくことで起こる。おのおのの原因疾患は…。




■炎症による肺胞の破壊
→肺炎・肺化膿症・肺膿瘍・肺真菌症・肺梗塞・Wegener肉芽腫症


肺胞領域の血管透過性亢進
→膠原病(SLEなど)・Goodpasture症候群・出血傾向・僧帽弁狭窄症


気管支に炎症で傷がつく
→慢性気管支炎・気管支拡張症・異物


気管支壁の破壊
→肺癌・肺結核・気管支腺腫・肺動静脈瘻




わかったかな?

F:まあ、理屈を理解しておくと、わかりやすいってことですね。

H:(なんか言い方が、「上から」なんだよなー)じゃあ、今度は、慢性の咳のうちで、X線で診断が出来ない、異常所見が見られない病気だよ。

F:あ、そうか。これまでは、慢性の咳のうちで、X線で診断が出来る病気だったんだ。

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