一昨日の症例です。
@ レントゲンで異常な陰影があった。
として、考えられるシナリオを。
A. 異常な陰影が陳旧性肺結核であった。
一番患者さんにとって望ましい結末ですね。昔結核に罹患された痕を陳旧性肺結核といいますが、そのような陰影があって、前回との比較ができなかった場合、医師が「過去に結核の既往があるなら、QFTだ」と考えて測定したようなケースです。
前回フィルムとの比較は胸部X線写真読影の鉄則なのですが、手に入らないことも多々あるため、ある程度石灰化の有無やCT所見から状況を推測せざるを得ないこともあります。
しっかりとした読影技術を要求されますね。
B. 肺炎、または結核以外の活動性肺病変があった。
これも、ある程度読影技術があれば診断可能な部分もあるのですが。
じゃあQFTが陰性でない(判定保留)のはなぜ?と思われるかもしれません。
一度肺結核を治療されている場合、治療後も体内に結核菌がごく少量残っている可能性があります。ごく少量なので、それによって再発、というのはほぼないと言われているのですが、QFTには影響することがあるのですね。
既治療患者さんのQFTは当てにならない、ということも知っておきましょう。
C. 肺結核があった。
実は、感受性菌に対し、きっちり治療を完了された、免疫のきちんとある患者さんの再発はほぼない、といわれています。
なので、この可能性は低いと思います。
仮にそうである場合、喀痰なりの検査がなければ診断には至りません。
長い長い結核の話を最初から読む
再発や再感染について調べていて、こちらにたどり着きました。
10年ほど前に肺結核かかり、入院,服薬により治療済みとなった者です。
それ以降、健康に気をつけ、毎年健康診断や人間ドックを受けており、今のところは異常は無いようです。
よろしければ教えていただきたいのですが、既治療者の場合、将来、内因性再燃はあっても、外因性再感染は稀と聞いたのですが本当でしょうか?
またその場合、異なる型(遺伝子?)の結核菌についても罹りにくいと言えるのでしょうか?
気になったもので、お時間のあるときにお返事頂ければ幸いです。
お忙しい中、お返事をいただき、ありがとうございました。