2011年12月03日

呼吸器学会近畿地方会「胸膜・縦隔疾患U」予習3・膵管胸腔瘻を確認し得た膵性胸水の1例・組織学的に中皮腫が否定され良性石綿胸水にて経過2年後、悪性中皮腫が発症した1例

■ 膵管胸腔瘻を確認し得た膵性胸水の1例

70歳代女性、膵炎にて加療中にアミラーゼ高値の右胸水を認め、検査で膵管胸腔瘻を確認し、手術で改善した。


…という症例です。右胸水の鑑別には必ず膵疾患を含める必要があり、アミラーゼ測定も行いますが、実際そういう症例にお目にかかることは少ないので、所見や画像をぜひ拝見したいところです。


問題になるのは機序のところと頻度、治療に関してでしょうか。膵臓がらみの機序で起こる以外にはあまりなさそうですので、診断に苦慮することは少ないように思うのですが。




■ 組織学的に中皮腫が否定され良性石綿胸水にて経過2年後、悪性中皮腫が発症した1例

胸腔鏡でいったん良性石綿胸水と診断され経過観察中に胸膜肥厚増大を認め、開胸胸膜生検で中皮腫と診断された。


…という症例です。

「良性(悪性じゃない)」の診断は結構難しいですね。特にこういう症例を見るとそう
思います。初診時に実際悪性ではなかったのか。どこまで診断を詰めるべきであったのか。画像診断や胸腔鏡の限界、そのあたりをdiscussionしたいところですね。

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posted by 長尾大志 at 01:11 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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