こちらは当院から先日の第78回日本呼吸器学会近畿地方会に出した症例です。
60歳代 女性、徐々に増悪する労作時呼吸困難を自覚したため近医を受診し、room airでSpO2:80%前後と低酸素血症を認めた。他院でレントゲン、CTを行ったが明らかな器質的疾患を認めず、それ以上の精査は行われなかった。経過と共に症状の増悪を認めたため、原因精査目的で当科紹介受診となった。
既往に60歳でのC型慢性肝炎(無治療経過観察中)、63歳からの糖尿病(内服加療中)があります。家族歴に特記事項なし。喫煙歴なし。職業は元農業で、アスベスト他の曝露はありません。
…という症例です。
所見として、労作時の呼吸困難、低酸素血症があり、SpO2(O2 nasal 1.5L/min)は臥位96%のところ、座位で91%に低下します。A-aDO2の開大、DLcoの低下もみられますが、レントゲン、CTといった画像所見では異常所見は見られません。
さて、一般的画像診断で問題のない低酸素血症、どういった疾患を鑑別に入れたらいいでしょうか。
2011年12月05日
この記事へのコメント
心不全と逆のようなので、肝肺症候群でしょうか?
Posted by KJ at 2011年12月06日 18:51
おお…鋭いコメント!ありがとうございます。
Posted by 長尾大志 at 2011年12月06日 19:10
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