2011年12月25日

「テイク」ばかりでは心の満足を得られない。若いうちから「ギブ」することを心がけよう

少し前の京都新聞の記事、京都府立大学小児科の細井先生による連載から。


(引用)先生の留学先である病院の設立者、俳優のダニー・トーマスの言葉。
「我々は皆、理由があってこの世に生まれてきているが、必ずしも皆がその理由を見出しているわけではない。人生の成功とは、人生で自身がどれほど多くのものを手に入れたかとか、自分自身のために何をなし得たかということとは全く無関係である。人生の成功とは、人が他者に対して何をなし得たかである。」(引用ここまで)


どうして、すばらしい人は同じようなことをおっしゃるのでしょう。それはやはり、真理は一つ、だからなのでしょうか。



少し前にご紹介した仏陀の言葉「幸せになると言うことは、よい行いができるよい人間になるということだ」と根元は同じことですね。


細井先生はそこで、こう続けられます。


(引用)問題なのは、「研修」と称し、いつまでも母校や故郷に戻らず、全国の、多くは都心部の病院を渡り歩く「万年研修医」が出始めたことです。(中略)「自分にとっていかに役に立つか」ばかりを考えて、人気の指導医のいる研修病院ばかりを渡り歩く、患者のことよりもいかに自分の知識・技能の向上と資格の取得につながるかをまず考える…。いわゆる「テイク」だけでは、人はいつまで経っても心の満足を終えられないでしょう。患者はすぐれた指導医にも優る教師、眼前の患者一人一人を親身に、丁寧に診ることによってこそ得られる研修も少なくありません。(中略)「ギブ」すなわち、他者に向かって社会貢献することによってこそ、人は人生の真の意味を知り、真の幸福と生きがいを得る(与えられる)と学生たちに教える今日このごろです。(引用ここまで)



連載記事でしたが、先生の一番におっしゃりたかったことはこれでは?と思いました。
私がもやもやと思っていたことをはっきりと言葉にしていただいて、すっきりしました。そうそう、そういうことなんです。本当にありがとうございます。


「万年研修医」の存在、あまり私はわかっていませんでした。あんなにたくさんいた卒業生たちがどこへ行ってしまうんだろう?と思っていたら、こういうこともあるんですね。


卒業生に見捨てられた地域の患者さんたちも気の毒、そして、卒業生自身が実は、「テイク」したつもりが心に何も残らない、気の毒な状態なのかもしれない、とも思います。


これを読んでいる「万年研修医」の皆さん、故郷で地域医療に貢献し、充実した日々を過ごしませんか?

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posted by 長尾大志 at 22:27 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ
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