地方会での見聞を踏まえて、医療・介護関連肺炎(NHCAP)ガイドラインについてまとめておこうと思います。
そもそも肺炎とは何か、と申しますと、何らかの原因で肺に炎症を来した状態です。
多くの場合、原因となる微生物が肺に進入して増殖、それに対して防衛軍である好中球、リンパ球、マクロファージなどが局所に遊走してきまして、戦いをする。その戦いの場を「炎症」と呼びます。
戦いの場では銃弾が飛び交い、火薬が炸裂する(たとえですよ、念のため)ため、局所が発赤・発熱・腫脹・疼痛などを呈するわけです。
そして山ほど微生物、防衛軍の屍骸が累積する。これが「膿」です。膿の見た目が白く濁っていたことから、「白血球」の名がついたことはご存じでしょう。
肺に炎症が起こり、膿がたまるということは、肺胞内が水浸しになるということです。そうすると、換気が減少し、血流は保たれる、換気血流不均等が生じ、A-aDO2の開大、低酸素血症となります。ここらへん、この前やったばかりですから、覚えておられますね。
そのたまった膿があふれ出してきたのが痰、痰を喀出するために咳が出て、痰が気道にたまるとラ音が聴取される。そういうわけで、肺炎では、
- 咳、痰、発熱、呼吸困難→低酸素血症、頻呼吸
- 聴診上ラ音
- 胸部レントゲンで陰影
- 炎症所見(白血球、CRPなど)高値
などの所見が見られるわけです。
でまあ、細菌が原因であれば、抗生剤を使いましょう、ということになります。で、できる限り日本での肺炎診療、つまり抗生剤使用を標準化しましょう、というところでガイドラインができたのです。
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