まず、治療区分を分けます。治療区分とは、要するにどこで治療をするか、ということ。
最初に「集中治療を必要とするか」を決めるのですが、医学的に重症かどうか、という点に加えて、ご本人が延命治療を望まれない由表明されているかどうか、などの要素も加味し、総合的に主治医が判断します。
集中治療を必要とする患者さんのグループをD群とします。
逆に、「もういいでしょう」となったら、D群には入れません。
次に入院適応を決めます。これは、 A-DROP(市中肺炎ガイドライン)などを参考に決めていきます。ちなみにA-DROPとは、
- A:Age(年齢) 男性≧70歳、女性≧75歳
- D:Dehydration(脱水) BUN≧21または脱水
- R:Respiration(呼吸)SpO2≦90%
- O:Orientation(意識障害)
- P:Pressure(血圧) 収縮期≦90mmHg
という5つの項目で、1つ満たすごとに1点カウントし、
- 0点:軽症→外来治療
- 1-2点:中等症→外来、または入院治療
- 3点以上:重症→入院治療
- 4点以上→ICU 管理
のように判断します。
これで外来治療可となりますと、A群。
入院要、となった群のうち、耐性菌のリスクのありそうな
- 過去90日以内に広域抗生剤が投与された
- 経管栄養を施行している
- 過去にMRSAが分離された(MRSAのリスク)
グループは、C群。
これらのリスクのない群をB群とします。
ちなみに耐性菌とは、緑膿菌・アシネトバクター・ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生腸内細菌・MRSA・ステノトロフォモナスなどが想定されています。
まとめますと、
- A群:外来治療可能
- B群:入院治療・耐性菌リスクなし
- C群:入院治療・耐性菌リスクあり
- D群:入院・集中治療
となります。
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