2012年01月13日

医療・介護関連肺炎(NHCAP)ガイドライン8・群別の治療法について・A群の治療

それでは、治療区分別に、抗菌薬選択の実際を見て参りましょう。


A群:外来治療で良い、比較的軽症と考えられるグループです。


A群では肺炎の原因菌が市中肺炎に近いと考え、耐性菌のリスクも少ないであろうとして取り扱います。


具体的なターゲットは肺炎球菌・インフルエンザ菌・MSSA・クレブシエラ・クラミドフィラ・ウイルスが想定されています。市中肺炎で有名なマイコプラズマはガイドラインでは含まれていません。


マイコプラズマは基本、若くて元気な方々に感染することが多く、各種データでも介護施設での分離菌としてはさほど多くないのですが、最近施設での集団感染が時々話題になっており、高齢者に感染しないというわけでもありません。

特に、お孫さんと同居されているようなケースでは、そちらから感染、ということもあります。



さて、抗菌薬の選択ですが、まあ市中肺炎の時と同じです。比較的狭域スペクトラムで、耐性菌リスクの少ないものを選びます。

ポイントとしては、高齢者を外来治療するので、経口薬中心であえて非定型菌、嫌気性菌を含めたスペクトラムにしてあるということです。


というのは、次回外来受診までに選択ミスがあった場合、命取りになることもあり得るためです。ですから「狭域」といいつつ結構カバーしている。


この場合の「狭域」とは、何を指すのでしょうか。

カンのいい方ならお気づきでしょう。緑膿菌以外、ということですね。まあキノロンは効かなくもないのですが…。

ということで、後発品花盛りの昨今ですので、一般名の略号を使って書きますと、


  • AMPC/CVAまたはSBTPC経口薬+マクロライド経口薬(CAMまたはAZM)

  • CTRX注射薬+マクロライド経口薬(CAMまたはAZM)

  • レスピラトリーキノロン経口薬(GRNX、MFLX、LVFX)



が推奨されています。


補足しますと、ペニシリンにマクロライドを加えるのは主にクラミドフィラ(+マイコプラズマ)対策ですが、CTRXにマクロライドを加えるのは、嫌気性菌対策も兼ねているのです。

肺炎治療薬として頻用されているCTRX(ロセフィン他)ですが、単独では誤嚥性肺炎に向かない、と覚えておきましょう。


同様に、これまたうんざりするほど頻用されているLVFX(クラビット)もまた、嫌気性菌には効果が弱く、避けた方がよい、と明言されています。


一部の地域で(全国的に?)肺炎といえば盲目的にクラビット、みたいな現場を見かけますが、ほんの少しでいいので、頭を使って頂きたいと思います。


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posted by 長尾大志 at 11:19 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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