2012年01月24日

吸入薬の種類・使い方・気道内に薬剤をdeliveryする手段として、ネブライザーか定量噴霧器か、どちらを選択するか1

昨日書いたように、薬剤を気道内にdeliveryする手段としては、ネブライザーによるものと定量噴霧器によるものがあります。


ネブライザーとは、薬液を生理食塩水などで薄めたものから、細かい水滴を作り、その細かい水滴に乗せて薬剤を気道内に運ぶものです。吸入には数分間以上かかり、その間は安静呼吸をして頂きます。


方式がいくつかあるのですが、一般的に機種によって少しずつ薬液の適量が異なるため、施設でお使いの機種の仕様を確認しておく必要があります。


そのためか、多くの施設では「約束処方」なるセットが定められていて、「β刺激薬を使いたかったら<吸入−@>を」、みたいな感じになっています。



ネブライザーの方式には、大きく分けて2種類あります。ジェット式と超音波式です。


ジェット式はコンプレッサーを用いて空気を噴射し、霧吹きの原理で細かい水滴を噴霧するものです。コンプレッサーがある、という点で、装置が大がかりになり、「ブルルーーーン」みたいな騒音を発しますから、夜中に使いづらい、などの制約があります。


しかしながら、少量の噴霧が可能であったり、薬剤の変性が少なかったりする点などから、喘息治療には適しているとされています。



超音波式は高周波で発生させた水滴を噴霧するもので、比較的多量の水分を気道内に到達させることができますから、痰が粘調で切れにくい、痰の喀出を促したい、という方に適しています。音も静かで、夜中にも使えます。

ですから、外科の病棟などに配置されているのはたいがいこれだったりします。


ただし、振動によって水滴を発生させることから、薬液が温度で変性したり、濃度が変わったり、少量の液を正確な量噴霧するのには適していない、という点が問題です。


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posted by 長尾大志 at 18:18 | Comment(0) | 吸入療法
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