2012年01月25日

吸入薬の種類・使い方・気道内に薬剤をdeliveryする手段として、ネブライザーか定量噴霧器か、どちらを選択するか2

定量噴霧器(吸入補助器具)とは、薬剤を1回に一定量吸入することのできる器具です。


器具自体は手のひらに収まるほどの大きさで、その中に(ものにもよりますが)1ヶ月分程度の吸入薬が最初から入っています。

ネブライザーと異なり電源も不要であり、手頃な大きさで携帯もできます。



定量噴霧器には、大きく分けて2種類あります。


1つは、スプレーと同じで、ガスを噴射し、それに薬剤を乗せて吸入するもの。押すと一回分の薬剤がスプレーされる、というイメージです。

もう1つは、粉状の薬剤をそのまま吸い込むもの。一回分の薬剤を装填し、吸い込む、という感じで使います。


前者を加圧噴霧式定量吸入器(pressurezed metered-dose inhaler:pMDI)、後者をドライパウダー定量吸入器(dry powder inhaler:DPI)と呼びます。


電源不要で手頃な大きさという点から、どちらかと言えば外来、家庭で使われることが多いものですが、救急の場でも喘息発作の時には、pMDIでβ刺激薬を繰り返し吸入、てなこともよく行います。


pMDIとDPIの違いは吸入手技にあります。pMDIはプシューッとガス状の薬剤が出ますから、その出方に合わせて吸い込まないと、きっちりと薬剤が体内に入りません。そのため、スペーサーという、噴霧したガスをいったんためておいて、あとで吸い込むような器具もあるのですが、これが結構大きくて、面倒くさかったりします。


DPIは口にくわえて吸い込めばいいので、自分のタイミング?で吸えます。しかしその一方で、ある程度しっかり吸い込む力がないと薬剤が体内に入りません。ですから、乳幼児や低肺機能のCOPD患者さんには向かない面もあります。


各々メリット、デメリットありますが、最近の、特に吸入ステロイド薬はほとんどDPIであり、比較的旧式のβ刺激薬はpMDIが多い、というところもあります。以上は総論であり、各論は後日。


吸入療法を最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:55 | Comment(0) | 吸入療法
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。