2012年02月06日

吸入療法・具体的投与法

長くなってしまいましたが、そもそもこの吸入療法特集を開始するきっかけとなった、F先生の質問を思い出してみましょう。そのF先生は、もたもた書いている間に、次のローテート科に行ってしまわれましたが…。


「病棟で使える吸入薬にはどのような種類があって、僕たちでも1st call時に使える薬はどんなのがあって、どんな風に使ったらいいですか。」


というご質問でした。



種類についてはこれまでに長々と書いて参りました。それで、研修医諸君のために、1st call
で使える薬とその使い方を挙げてみましょう。



基本的に、ほとんど副作用がなく、安全なのは去痰薬。まあまあ大丈夫で、しっかり効くのがβ2刺激薬です。痰が多いときには去痰薬を使いますし、気道をしっかり拡張させたいときにはβ2刺激薬を使います。


これらを、生食に混ぜてネブライザー吸入。生食の量は、ジェット式なら数ml、超音波式なら10〜20ml、というところです。その病棟でだいたいトータル何mlでやっているか、確認して同じくらいの量でやりましょう。


たとえば、術後の患者さんで、痰が固くて、切れにくくて困る、とcallされたら…

ムコフィリン吸入液 1回2ml
ビソルボン 1回2ml

のどちらかを、生食18mlに混ぜて、超音波ネブライザーで吸入、という風に行います。



喘息発作患者さんの時は、最近では

メプチン吸入液0.01% 1回0.3ml、または0.5mlの1アンプル

を使うことが多いんじゃないでしょうか。
それを、数mlの生食で溶いて、ジェットネブライザーで吸入して頂きます。



COPDで急性増悪、痰も切れにくい、なんていうときには、

メプチン吸入液1アンプル
ビソルボン2ml
生食適当量

を混合してネブライザー吸入して頂くと良いでしょう。


いずれの場合でも、病歴をよく確認して使うのは当たり前です。β2刺激薬を使うと動悸が激しくて、使用を見合わせているケースもあるのです。痰をあまり増やさない方がいい、という場合もあるでしょう。そのあたりは裁量が必要ですが、基本的な考え方はこんなところです。

ということで、しっかり適応を見定めた上で、吸入療法を使い分けてみてください。


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posted by 長尾大志 at 13:14 | Comment(0) | 吸入療法
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